残波岬で味わう──絶景・グルメ・笑顔の沖縄フルコース 沖縄編
沖縄と熱海を行ったり来たり、毎日が日曜日のポンコツフリーマン。
財布は庶民派でも、心はリゾート気分。サックスとゴルフに奮闘しながら、時には行政窓口とも真剣勝負。
笑い話にできるところは笑いながら、でも筋は通す。これが私の流儀です。
今回は「免許証とマイナンバーカードの二枚持ち申請」で遭遇した、ちょっとした“事件”の記録です。
免許更新の窓口。高齢の申請者――私が「仲良しおじいちゃん」と呼んでいる人生の先輩が、「二枚持ち」を希望しました。
準備は万端。免許証、マイナンバーカード、そして手数料。制度上は何の問題もありません。
ただし、ここに至るまでにはちょっとした前日譚(ぜんじつたん)があります。
実はおじいちゃん、最初はマイナンバーカードをまだ持っていませんでした。
そこで私は沖縄の朝のゆんたく(おしゃべり)タイムで、ころころとマイナンバーカードの便利さを説明しました。
「おじいちゃん、マイナンバーカードってね、保険証にもなるし、コンビニで住民票も取れるし、免許証とも連携できるんだよ。まるで万能リモコンみたいなカードなんだ」
と冗談交じりに話すと、おじいちゃんは「ほぉ〜、そんなに便利なら持ってみるか」と目を丸くしました。
「免許更新の前に市役所へ行って申請して、まずはマイナンバーカードを手に入れよう」
と私がアドバイスすると、おじいちゃんは「よし、やってみよう!」と即決。
市役所での申請も無事に終え、免許更新当日には新しいマイナンバーカードを手にしていました。
前日から「明日は免許の更新だ」と張り切っていたおじいちゃん。
朝のさんぴん茶をすすりながら、「緊張しているから味が薄く感じるな」と笑い飛ばすほど。
「二枚持ちって、なんだかカッコいいよな。免許証とマイナンバーカード、両方持ってるって、まるで侍の二刀流みたいだ」
そんな冗談を言いながら、私に「お前が勧めてくれたから挑戦してみるよ」と語ってくれたのです。
そして迎えた当日。免許更新におじいちゃんは出かけました。
背筋を伸ばして堂々と歩く姿は、まるでゴルフ場でティーショットを打つときのよう。
「準備は万端だ。免許証もある、マイナンバーカードもある、手数料も用意した。これで制度上は何の問題もないはずだ」
と、本人は自信満々。
ところが――窓口でのやり取りは、予想外の展開を迎えました。
その瞬間、まるでゴルフボールがフェアウェイではなく林の中へ飛んでいったような、そんな「えっ?」という空気が流れたのです。
免許更新の窓口。沖縄の朝の光がまだ柔らかく差し込む時間帯、仲良しおじいちゃんは胸を張って受付に立ちました。
新しいマイナンバーカードを手にして「二枚持ち」という響きにワクワクしていたその瞬間、窓口の職員から思いがけない質問が飛んできました。
職員:「パソコン使えますか?」
(まるで「今日の天気は?」と聞くような軽さで投げられた質問。しかしその裏には、妙な試験のような空気が漂っていました。)
申請者(おじいちゃん):「いえ、使えません」
(正直に答えたおじいちゃん。沖縄の人らしい素直さがにじみ出ます。嘘をつくより、笑って「できない」と言う方が気持ちいいのです。)
職員:「それならマイナンバーカードへの書き込みはしても意味ないですよ。お金もかかりますし」
(ここでおじいちゃんの心に小さな波が立ちました。「意味ない」と言われると、せっかくの挑戦が砂浜に打ち寄せた波のように引いてしまうのです。)
申請者:「お金は払いますから」
(おじいちゃんは必死に食い下がります。まるでゴルフでOBになりかけたボールを「まだセーフだ」と祈るように。)
職員:「でもパソコン使えないんでしょう」
(ここで職員はあからさまに嫌な顔をしました。沖縄の青空とは対照的に、窓口の空気は一気に曇り空に。おじいちゃんは肩を落とし、「パソコン使えない自分ではダメだ」と感じて断念しました。)
翌日、私は仲良しおじいちゃんからこの話を聞きました。場所はゴルフ練習場の朝練。打ちっぱなしの音に混じって、おじいちゃんの声は少し沈んでいました。
「昨日ね、窓口で『パソコン使えないなら意味ない』って言われてさ。嫌な顔されて、もうダメだと思って諦めたんだよ」
その瞬間、私の頭に赤ランプが点りました。制度に「パソコンが使えること」などという要件は存在しない。免許証とマイナンバーカードの二枚持ちは、制度上きちんと認められているのです。
私は強い違和感を覚えました。これは単なる誤解ではなく、制度にない条件を持ち出して申請者を萎縮させた行為。
ここで私の頭に浮かんだのは法律用語の「未必の故意」。
結果を望んでいなくても「起きても構わない」と認識して行為する心理状態。
この職員の発言はまさにそれでした。
「パソコンが使えないなら意味ない」と言い切ることで、申請者が断念する結果を止めようとしなかった。
望んでいなくても「断念しても構わない」という態度がそこにあったのです。
私は心の中でこう名付けました。
「行政の未必の故意」。
ゴルフクラブを握る手を少し緩め、時計を見るとちょうど8時。窓口がオープンする8時30分を狙って、私は担当部署に電話をかけました。
第一ラウンド:静かな立ち上がり
私:「昨日の窓口対応について確認したい。制度にない要件が提示されました」
(声は落ち着いていましたが、心の中ではドライバーショットのように一直線に飛ばす気持ちでした。)
担当部署:「当部署ではそのような対応をする職員はいないと思います。本人が申請時に納得しているなら再申請はできません」
(この返答は、まるでゴルフボールがバンカーに落ちたような感覚。砂煙が舞い上がり、先が見えない。)
第二ラウンド:強気の一打
私:「所定の相談窓口へ通告し、この事実を公にします」
(ここで私は、フェアウェイに戻すための強気の一打を放ちました。声は冷静でも、言葉には芯がありました。)
(ここで一旦電話を切りました。クラブを振り抜いた後のように、呼吸を整えながら次の一手を考えます。)
第三ラウンド:氏名確認の儀式
再度連絡し、担当者の氏名を確認しました。
私:「先ほど対応した職員のお名前をお願いします」
職員:「苗字は◯◯です。この苗字は私しかいません」
(この答えは、まるで「このホールには私しかプレーヤーはいません」と宣言するようなもの。責任の所在がはっきりしました。)
第四ラウンド:態度の急変
私:「所定の手続きを取る旨、再度通告します」
(ここで私は、パターでカップを狙うように、静かにしかし確実に言葉を置きました。)
職員:「昨日と同じことはできませんが、二枚持ちのデータ書き込みは可能です。今から来ていただければ処理します」
(この瞬間、空気が変わりました。まるで曇り空から一気に青空が広がるように、態度が急変したのです。ゴルフボールが林を抜けてフェアウェイに戻ってきたような爽快感がありました。)
電話を切った後、私はおじいちゃんに伝えました。
「大丈夫だよ。制度にない条件を持ち出されたのは間違いだった。今から行けば、二枚持ちの処理をしてくれるって」
おじいちゃんはさんぴん茶をすすりながら、ふっと笑いました。
「やっぱりお前に相談してよかった。ゴルフもそうだけど、諦めないで次の一打を打つことが大事だな」
その笑顔は、沖縄の朝の青空よりも晴れやかでした。
沖縄の空は快晴。私と仲良しおじいちゃんの二人は指定された時間に、電話で態度を急変させた職員に会うため、再び窓口へ向かいました。
おじいちゃんは新しいマイナンバーカードを胸ポケットに入れ、まるで勝負のゴルフクラブを握るように気合十分。私は横で「今日はフェアウェイを真っ直ぐ進もう」と心の中で呟きました。
窓口に着くと、電話対応した職員を呼び出しました。
私:「なぜ二度目に態度が急変したのか」
職員:「私の認識が不十分でした。申し訳ありません」
(速やかな謝罪がありました。まるでゴルフでバンカーから一打で脱出できたような、すっきりした瞬間でした。)
続いて、初回に「意味がない」「パソコンが使えないなら」と発言した職員と、おじいちゃんが対面しました。
おじいちゃんは少し緊張していましたが、さんぴん茶を飲んだ後のような穏やかな表情で
おじいちゃん:「昨日、あなたは『パソコンが使えないなら意味がない』と発言しましたね」
職員:「誤解を招いたかもしれません。意図としては……」
(ここで職員は苦しい言い訳を試みました。まるでOBになったボールを「風のせいだ」と言い訳するゴルファーのよう。しかし最後は謝罪に至りました。)
私はこう伝えました。
私:「今回の件は行政窓口の不適切対応であり、高齢者差別的取扱いに該当する可能性があります」
私:「罪を憎んで人を憎まず。目的(二枚持ち)と謝罪が得られたので、これ以上はしません」
おじいちゃんはその言葉を聞いて、ふっと笑いました。
「やっぱりお前が一緒だと安心するな。ゴルフもそうだけど、最後はフェアプレーで終わるのが一番だ」
その笑顔は、沖縄の青空に負けないくらい晴れやかでした。
私は現職時代、企業のガバナンス部門に在籍していた時期がありました。
お客様と企業を守り、誤りを犯した社員を正すとともに社員も守る立場。
だからこそ、今回の窓口対応も「組織のガバナンス不全」として捉えました。
これらはすべて「ガバナンスの穴」。
放置すれば組織の信頼は失われ、やがて大きな問題へと発展します。
ガバナンスの世界では「小さな穴を放置すれば、やがて船は沈む」とよく言います。
今回の窓口対応も、まさにその「小さな穴」でした。
「1の重大事故(今回は毅然と申し入れした事実)の裏に、29の軽微な事故(ものすごく不満だが断念)、300のヒヤリ・ハットが潜んでいる」——ハインリッヒの法則。
今回のような明確な不適切対応の裏には、
があると推定されます。
つまり、多くの高齢者が「二枚持ち」を断念していた可能性があるのです。
これは単なる一人の問題ではなく、一人の行政マンの不適切な対応が、組織全体の信頼を揺るがす事態。
「沈黙の高齢者」を減らすためには、制度を正しく案内し、誰もが安心して手続きできる環境が必要です。
結局、目的は達成されました。二枚持ちも謝罪も得られました。
私は「罪を憎んで人を憎まず」の精神で終結。
沖縄ではゴルフの打ち損じを「まあこれも人生の一打」と笑い飛ばし、
熱海では干物と土鍋ごはんで「日本人でよかった」とほっこりする。
行政窓口でも同じです。誤りは正し、でも人は憎まない。
おじいちゃんは最後にこう言いました。
「二枚持ちって、やっぱり二刀流だな。昨日は空振りだったけど、今日はちゃんと当たった。人生もそんなもんだな」
その言葉に、私は思わず笑いました。
制度の穴を塞ぐのも、ゴルフのOBを修正するのも、結局は「次の一打」にかかっているのです。
この事例は「制度上可能な申請を、担当者の誤った説明と態度で妨げた」ケース。
行政窓口の未必の故意により、高齢者が萎縮して断念する構造が浮き彫りになりました。
しかし、毅然とした対応と冷静な交渉により、目的達成と謝罪を得ることができました。
この記録を公開することで、同じように悩む高齢者が泣き寝入りせずに行動できるよう願っています。
🌸 行政窓口もゴルフ場も、フェアプレーが一番。
「次の一打」を信じて進めば、必ずフェアウェイに戻れるのです。
ここまで読んでくださった皆さんへ。
私は今回の件で、久々に現役時代のような「正義の怒り」を感じました。
怒りといっても、机を叩いて怒鳴るようなものではありません。
むしろ、ゴルフでOBを出したときに「よし、次は真っ直ぐ飛ばすぞ」とクラブを握り直すような、前向きな怒りです。
行政窓口で「パソコンが使えないなら意味がない」と言われて肩を落とした仲良しおじいちゃん。
その姿を見て、私は「これは放っておけない」と思いました。
そして動いた結果、制度どおりの二枚持ちと謝罪を勝ち取ることができました。
読者の皆さんも、もし同じような場面に遭遇したら、どうか泣き寝入りせずに「次の一打」を打ってください。
制度にない条件を持ち出されたら、「それは制度に存在しないはずです」と calmly(冷静に)伝えましょう。
相手が嫌な顔をしても、こちらはさんぴん茶を飲むように落ち着いて。
そして必要なら、相談窓口や記録の公開を選択肢に入れてください。
怒りは、正しく使えば社会を温める力になります。
「正義の怒り」は、誰かを傷つけるためではなく、誰かを守るためにあるのです。
最後に、仲良しおじいちゃんの言葉をもう一度。
「二枚持ちって、やっぱり二刀流だな。昨日は空振りだったけど、今日はちゃんと当たった。人生もそんなもんだな」
🌱 人生はゴルフのラウンドのように、時に林へ飛び込み、時にフェアウェイを駆け抜けます。
大事なのは、諦めずに次の一打を打つこと。
それが、制度を守り、社会を温める一番の方法です。
読者の皆さんも、どうか「正義の怒り」を胸に、次の一打を信じて進んでください。
そしてその一打が、あなた自身だけでなく、周りの人をも救う一打になることを願っています。
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When in doubt, head to LALA SAX OFFICIAL!
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